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AWS入門:全体像と、安全な始め方

リージョンとAZ、主要サービス、典型的なWeb構成、責任共有モデル。最初に決めておく安全設定と、料金の落とし穴までを整理する。

AI作成 · 約11分 · ITの基礎知識があれば十分
AWSクラウド入門
この記事で扱うこと

AWSは、サーバーやデータベースを必要な分だけ借りる仕組みです。使い始める前に、rootユーザーの保護、日常用のアクセス、料金の通知の3つを決めると、事故を大きく減らせます。

AWSとは

AWS(Amazon Web Services)は、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワークなどを、インターネット経由で必要な分だけ借りられるクラウドサービスです。自分でサーバーを買って置く代わりに、使った分だけ支払います。数分でサーバーを起動でき、使い終わったら止められます。

借りられるものは非常に多く、サービスの数も増え続けています。最初から全部を覚える必要はありません。この記事では、まず全体の構造と、最初に覚える主要なサービス、安全な始め方に絞ります。

サービスの名前、画面、料金、無料枠は変わります。無料枠の制度は、2026年10月に公式の発表で確認しました。ほかの内容は一般的な解説なので、実際に使うときは、最新の公式ドキュメントと料金のページで確認してください。

全体の構造:リージョンとアベイラビリティゾーン

AWSは、世界中に分かれた拠点でできています。

AWSの構造:リージョンとアベイラビリティゾーンユーザー1AWS CloudCloudFrontエッジ拠点2リージョン(例:東京)AZ AEC2サーバーRDSデータベースAZ BEC2サーバーRDSデータベースAZ間は、高速な専用回線でつながるリージョン(例:大阪)遠く離れた別の拠点。データは自動では移らない
図1 リージョンの中は、物理的に分かれた複数のAZでできている。1つのAZが止まっても、別のAZで動き続けられる。AWSの構成図の作法で描いた簡略版(公式のアイコンではない)。
  • リージョン:地理的に分かれた地域(東京、大阪、バージニアなど)。リージョンごとに、サービスもデータも独立している
  • アベイラビリティゾーン(AZ):1つのリージョンの中にある、物理的に分かれたデータセンターの集まり。電源やネットワークも分かれていて、1つのAZで障害が起きても、他のAZは動き続けるように作られている
  • エッジ拠点:利用者の近くでコンテンツを配信するための拠点(CloudFrontなどで使う)

選ぶときの考え方は次のとおりです。

  • リージョンは、利用者に近い場所と、法令やデータの置き場所の要件で決める。サービスや料金がリージョンで違うこともある
  • 止まりにくくしたいときは、1つのリージョンの中で、複数のAZに分けて置く
  • データは、別のリージョンへ明示的にコピーしない限り、そのリージョンの外に出ない

最初に覚える主要サービス

サービス役割たとえると
EC2仮想サーバーを借りる好きなOSを入れられるPC
S3ファイルを保存する(オブジェクトストレージ)容量が事実上無制限のファイル置き場
VPC自分専用の仮想ネットワーク社内ネットワーク
IAM誰が何をしてよいかを決める入退室の管理
RDS管理を任せられるデータベースバックアップや更新を代行してくれるDB
Lambdaコードだけを置いて、呼ばれたときに動かすサーバーのない関数
CloudFront世界中に近い場所から配信する(CDN)各地の配送拠点
Route 53ドメイン名とIPアドレスを結ぶ(DNS)電話帳
CloudWatchログ、指標、アラーム監視室

ほかにも多くのサービスがあります。上の表は、最初の入口にすぎません。

典型的なWebアプリの構成

小さなWebアプリの典型的な構成を見ると、サービスどうしのつながりが分かります。

小さなWebアプリの典型的なAWS構成ユーザー1AWS CloudCloudFrontエッジ配信2リージョンVPCALBロードバランサーAZ A非公開サブネットEC2サーバーRDSデータベースAZ B非公開サブネットEC2サーバーRDS待機系34S3ファイル置き場CloudWatchログ・監視
図2 番号は、リクエストが流れる順(1 ユーザー → 2 エッジ → 3 ロードバランサー → 4 サーバー → データベース)。AWSの構成図の作法で描いた簡略版(公式のアイコンではない)。
  • 利用者のリクエストは、CloudFrontで受け、静的なファイルは近くから返す
  • 動的な処理は、ロードバランサー(ALB)が、複数のAZにあるサーバー(EC2)へ振り分ける
  • データベース(RDS)は、外から直接つなげない非公開のサブネットに置く
  • 画像やバックアップは、S3に置く。ログと指標は、CloudWatchに集める

責任共有モデル

クラウドでは、AWSと利用者で、守る範囲を分けています。

範囲担当例
クラウドのセキュリティAWSデータセンターの建物、ハードウェア、仮想化の基盤
クラウドの中のセキュリティ利用者アクセス権の設定、OSの更新、データの暗号化、ネットワークの公開範囲

「AWSを使っているから安全」ではありません。たとえば、S3のバケットを誤って公開したり、強い権限のアクセスキーを漏らしたりするのは、利用者側の設定の問題です。サービスによって、利用者の担当する範囲は変わります(EC2はOSの更新まで自分で、Lambdaはコードと権限が中心)。

最初にやる安全設定

アカウントを作ったら、サービスを使う前に、次の3つを決めます。

  1. rootユーザーを守る:最初に作ったメールアドレスのアカウントがrootユーザーで、すべての権限と請求の情報を持ちます。強いパスワードにして、必ず多要素認証(MFA)を設定します。日常の作業には使いません。
  2. 日常用のアクセスを別に作る:公式は、人が使うアクセスには、長く使える認証情報(アクセスキー)ではなく、一時的な認証情報を使うことを勧めています。複数アカウントや複数人で使うなら、IAM Identity Centerでの管理が推奨されています。権限は、必要なものだけに絞ります。
  3. 料金の通知を設定する:予算(AWS Budgets)で、上限の金額と通知先を決めておくと、使いすぎにすぐ気づけます。

IAM Identity Centerを設定した後は、コマンドラインのAWS CLIも、ブラウザでのサインインで使えます。

AWS CLIの例
# IAM Identity Centerでの接続を設定する(画面の案内に従って入力する)
aws configure sso

# 設定した接続でサインインする(<プロファイル名>は、自分で付けた名前)
aws sso login --profile <プロファイル名>

# いま、どのアカウントの誰として操作しているかを確かめる
aws sts get-caller-identity --profile <プロファイル名>

アクセスキーとシークレットは、ソースコードやGitに入れてはいけません。漏れると、第三者に使われて高額な請求につながることがあります。キーを作る必要があるときは、権限を絞り、使わなくなったら削除します。

料金の考え方

AWSは使った分だけ課金されます。新しいアカウントには無料で試せる仕組みがあります。公式の発表によると、新規のお客様は、サインアップ時に最大200ドル分のクレジット(100ドルを付与、残りは対象サービスの利用で獲得)を使えます。無料アカウントプランは、サインアップから6か月後か、クレジットを使い切ったときの早い方で終了し、有料プランに移らない限り、課金されません。制度の細部は変わるので、公式のページで確認してください。

よくある予想外の課金の原因は次のとおりです。

  • 起動したままのサーバー:EC2は、動かしている時間に応じて課金される。使い終わったら止めるか、削除する
  • データの転送:AWSの外へ出るデータには、転送料金がかかることがある
  • ネットワークの部品:NATゲートウェイのように、置いているだけで時間課金され、通したデータ量でも課金されるものがある
  • 忘れたリソース:ストレージ、ロードバランサー、固定IPなどが、使っていなくても残っていると課金が続く

練習で作ったものは、終わったらまとめて削除します。リソースにタグを付けておくと、何を消せばよいかが分かりやすくなります。

学習の進め方

  1. 無料のプランで、アカウントを作り、上の3つの安全設定をする
  2. S3にファイルを置き、公開しない設定のまま、自分だけが読めることを確かめる
  3. EC2でサーバーを1台起動して、つないで、終わったら削除する
  4. 小さなWebアプリを、前の構成図の形で作ってみる
  5. Lambdaなど、サーバーを持たない形も試す

確認リスト

  • rootユーザーに、強いパスワードとMFAを設定したか
  • 日常の作業で、rootユーザーを使っていないか
  • 人が使うアクセスは、一時的な認証情報にしたか。アクセスキーを使うなら、権限を絞ったか
  • アクセスキーが、コードやGitに入っていないか
  • 予算と通知を設定したか
  • 使う場所のリージョンを決めたか。意図しないリージョンで作っていないか
  • 練習で作ったリソースを、終わったら削除したか

公式リファレンス

AWS — Global Infrastructure ↗AWS — Shared Responsibility Model ↗AWS Docs — Security best practices in IAM ↗AWS Docs — Root user best practices ↗AWS What's New — AWS Free Tier now offers $200 in credits and 6-month free plan ↗
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